常時100Wへのトライ~貴船川と比良川での小型水車設置実験(2019/03/03+03/19)

2014年頃以後、手造りレベルでハブダイナモを使う小型水車(4W以下)までは出来ていたのですが、100W以上の発電を常時維持するというステージに行くのが悩みでした。関西協議会と交流のある岐阜協議会の野村典博さんが「自然エネルギー学校」を通して、地域住民の人達と、一から学ぶ小水力講座のような取り組みを2011年から始めています。これまで3年計画で順次、郡上市、大垣市で実践を重ねてきました。その中で、採用されていたのが、当協議会会員で高知県在住の平井政志さんの会社が販売している「Cstream-1」というターゴ水車です。
クールアイランド 平井さんブログ
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この2年ほど、京都市の支援を得てエコロジーセンターさんとエコ学区からの要望を受ける場面が増えていますが、ハブダイナモ(自家消費)以上の出力で常時自家消費できる機器が求められてきました。野村さんからのアドバイスで今回、平井さんのターゴ水車を実際に設置してみることになり、3/3=貴船川、3/19=比良川での設置実験に至りました。

ターゴ水車カタログ0003(平井)

果たしてカタログ通りの性能を出してくれるだろうか、野村さんのおっしゃるように実用面や耐久性で課題はないだろうか、と平井さんにご無理を言って短期レンタルしてもらい、京都で設置実験をすることになりました。

3/3、当協議会の運営委員である山本さんは京都市左京区鞍馬にお住まいなので、知人で鞍馬川そばで旅館を経営されている方に協力をお願いしてくれました。貴船川は夏になると納涼床床が、奥ノ院下流あたりから設置される観光スポットですが、床が設置されるまではその知人の方が管理するエリアなら実験ができそうだという事で、準備しました。(貴船川のこのエリアは一級河川でしたので、京都府土木事務所に一時占有許可をもらいました)

取水には苦労しました。岩場の間に、取水ホースが入るだけの穴を開けたみかんケースを準備して、なるべく周囲の環境をいじらないようにしました。

 

導水管には配管パイプを使うのが本来ですが、仮実験のために長い配管を用意することが出来なかったので、巻き取れる=保管場所に困らない消防ホースを使いました。なので、なおさらホースに水を入れる(呑みこんでくれる)事が難しかったです。

ヘッドタンクもなく、水圧をかけることができない状態で、何とか下流へ導水するまでにみんな、懸命でした。最終的に下流側の水車発電機に水は通りましたけど、ヘッドタンクが無いので、ホースに水が溜まった分だけ、水車が動く=間欠泉のように発電する、という状態でした。

瞬間的ではありましたが、この条件で発電した事は確認できました。当日は、岐阜から野村さん、元伏見工業高校の足立先生、エコセンの方などのご協力をいただき、南川会長、監査役の奥村さんもサポートしていただきました。

 

ターゴの羽根に当たるノズルが、大・中・小とあり、水量に合わせて取り換えがでます。今回は一番、少ない=先が細いのを使いました。写真は、その取り換えをしているところです。当日は雨模様でしたけど、皆さんのお陰で何とか平井さんターゴ水車の仕組みや、取水の難しさなど、現場体験することができました。

 

たったこれだけの事ですが、水力発電というのは、実験場所が大変なことを痛感しました。今回は貴船川でご協力いただける方がおられたので、場所を借りることが出来ましたが、十分な発電ができる条件の場所探しにも関連しますが、「小水力発電ができる場所」そのものを、イメージするのが難しい、ここなら出来るかもとなかなか気づけないという点が課題に残りました。

 

 

貴船川実験が終わって、平井さんに水車をお返しするまでまだ日にちがあったので、もう一度、やってみようとあちこちに声をかけたところ、滋賀県大津市から青木豊明さんから連絡がありました。

青木さん個人HP 湖西環境ギャラリー
https://kosei-toyo317.jimdofree.com/

青木さんは元びわこ成蹊スポーツ大学の先生で、2006年から比良山のふもとで小水力発電設置をされている方です。(私は2012年2月にスポーツ大学で初めてお目にかかりました) その場所が今も健全に残っているということで、青木先生とお知り合いのFさんにもご協力をいただき、3/19に2回目の挑戦となりました。

もともと比良山に登るリフトがあった場所ですが、今は廃業しています。立派な水車小屋があり、今でも中にペルトン水車に導水されていて、いつでも発電できる状態だそうです。

ただ、具体的な電気の使い道が無いので、水車小屋の中に負荷の白熱球がありました。

取水口は上流で確保されている状態で、導水管が水車小屋まで完備している好条件です。青木先生の水車スペックは、「落差30m,水量2L/s,定格発電300W」「パイプはポリエチレン50/60mm」という事でしたが、平井さんターゴの入口弁の口径が40mmなので、それに合わせる異径ジョイントを準備する必要がありました。

30mの落差の水圧というのがかなりのものです。本当の発電所なら、水車建屋に入る直前に入る場所でアンカーブロックで配管を固定させる必要がある箇所ですが、そこは臨時の実験なので、木材でクイを打って、配管を針金が巻いて固定しました。

水車羽根に水を当てる角度などの微調整をすることがなかなか難しく、入口弁のつなぎ目がゆるい状態を解消されなくて、水がすき間から噴き出す状態でしたが、何とか、連続発電することができました。

負荷のLEDライトが点灯してます

 

 

 

 

 

 

 

 

青木先生が設置している取水口、とても簡単なように見えてノウハウがあるかも?

 

 

最後に取水場所まで歩き、どんな取り方をしているのか見てみたのですが、意外に簡単な仕組みでした。浸透取水の一種だと思いますが、実際にもっと接近して見ないと、どうなっているのか仕組みが分かりませんでした。

 

 

青木先生の設置条件が、落差30m、水量2Lです。平井さんの水車が一番うまく機能するのは、2~3Lで、落差16~22mです。野村さんは「10m、5.5Lの条件なら場所を探せる可能性が高いのではないか」との事なので、京都市内のみならず、この条件で常設できる(常時、負荷を必要とする)場所を、今後、探してみようと思います。

6/8の総会では、いきいき三原会の増井理事長とともに、このターゴ水車を販売している平井さんが、総会で話題提供をしてくれます。タイトルは「大事にしたい、100W発電~5.5リットル/10mの挑戦」です。

FITで売電して地域に収益を還元したい、という規模にいくには、50kW規模程度が出来るまでの条件が整わないと採算がとれないだろうというのが、現状で、それもかなりハードルがあるのが現実です。売電を目指す小水力もあり、しかし同時に、こうして100Wをどう身近かなところで、自家消費していく小水力もあり、という事をこれからも大切にしていきたいと思います。              文責:事務局里中

 

 

 

 

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