(未掲載分)2017年3月26日、第6回小水力発電アイデアコンテストを見学(岐阜県高山市)

東海北陸地方にある、7つの高等専門学校、富山高等専門学校、金沢工業高等専門学校、福井工業高等専門学校、岐阜工業高等専門学校、豊田工業高等専門学校、鳥羽商船高等専門学校、鈴鹿工業高等専門学校と、開催地の高山工業高校、共催会社のデンソーのオープン参加、合計9カ所で、小水力発電アイデアコンテストが岐阜県高山市で、3月26日、丹生川地域を会場に開催されました。

このコンテストは高山市制80周年記念事業で、小水力発電にトライする若者達の創意あふれる取組みに圧倒されてきました。

当協議会は、第2回目開催のみなべ市以後、鯖江市、豊田市、南砺市と見学参加を重ねてまいりました。

農業用水をはじめ、水が美しく豊富な丹生川地域で、学生のみなさんは合宿し、地域住民の方と意見交換をし、どこに、どんな水車を設置するとよいか、また発電した電気をどのように地域に還元するか、話合い検討を進めたそうです。設計をし、原材料を組み立て、実際に流れの中で水車を作動させるまでに、冷たい水につかることもあったとか。いざ発電という段階でも試行錯誤が繰り返され、なかなかユニークな高専らしい調査・研究が行われていました。

文化ホールに、各校の研究経過がパネル1枚にまとめられており、見学の私たちは、バスに分乗して現場にむかいました。現場では、学校ごとに実演、発表されており、その素晴らしさを再現する能力がなくて申し訳ないのですが、その一端を9 カ所に分けてお伝えします。

<1カ所目、岐阜高専>

水路をせき止めて落差をつくり、縦軸型水車を設置。

出力20w(非公式)

積雪地域らしく、電気を屋根で活かして融雪装置にしてある。前日には模型の屋根にも積雪があって、うまく融けたということでした。

<2カ所目、オープン参加のDENSO(大会共催会社)>

水路は高い畔の上にあり、ホースをつかって落差を作りだす仕掛け。  出力12w

前日にホースを設置した時には雪の表面にあったものが、1日経って、水温と重みで、ホースが雪の中に食い込み、想定しただけの勢いをとれなかったと苦労談。クロスフロ―水車。電気は野生動物を感知する。

<3カ所目、福井高専>

人家に近い水路に水車を設置。 10倍速 出力7w発電した電気で、楽しい町にすることをめざし、温度・湿度・不快指数を表示できるようにアイデアを凝らしたそうだ。表示板正面の写真でなくてごめんなさい。

<4か所目 金沢工業>

続いて金沢高専の設置場所はすぐ近くて、先の印象がおさまらないうちに到着。

上掛け & チューブラ水車  50w

半密閉型上掛水車。発電した電気で、農作物のハウス管理をコントロールし、農家の省力化を図る。

<5カ所目 富山高専>

芍薬街道に面して設置されている立派な掲示板をライトアップさせるアイデア。少ない水量で、下掛水車の動きを早く回転させるのに、工夫したそうだ。 チェーン駆動50倍速 出力5w

<6カ所目 高山工業高校(現地開催地、特別参加)>

まずりっぱな木製水車に目をひかれた。釘が一本も使われていない。同校の建築インテリア科と電機科、機械科が共同して取り組んだそうだ。水位情報を知らせるのに、電気を活かせるよう、研究発表のためには、水位調整可能にするための金枠を併用し、実演された。

どこにでもよくある水路。私の近くに、すぐにでも設置したいような水車だ。

<7カ所目 豊田高専>

導水管を長い鉄橋のように楽しく支え、通りがかりの親子連れの方たちが見に来て、遊園地のような風景。豊田高専は、水車を上掛けと下掛け同時に回転させ、電気はぼんぼり照明と水位調整弁に活用する、創意がいっぱいだ。

<8カ所目 鳥羽商船高専>

比較的深い用水路に挑んだ鳥羽商船の現場。

水路の落差を利用して、水幅を狭め、半密閉上掛水車を回す。水車の位置を決め、固定するのに、苦労があったとか。電気は、ハウス栽培の自動水やりに使うアイデア。工業と農業のコラボだ。30・70・90倍の変速機装備 出力43w

(113w出して電装系から発煙したと言うのはここだったかな?)

<9ケ所目 鈴鹿高専>

可搬式2段上掛水車で、水流との関係から、当日現場で、水車を上下入れ替えて、発表に臨んだそうだ。電気は電光掲示板に活かす。上20倍速・下15倍速 出力40w

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8校と1事業所の合計9か所の現場見学を終え、午後は文化ホールで各校のプレゼンテーション発表が要領よくすすめられた。後半には、各校代表者のパネルディスカッションがあり、発表パネルを作成した後も試行錯誤や現地での変更もおこなわれ、最高の発電機と利活用の状態を造りだすための努力をはらわれたことがよくわかりました。表彰式後、講評の中で、「すばらしい発電アイデアなので、撤去せず、このまま現地に置いてほしい」といわれるくらい力作ぞろいでした。

水車そのものの写真など、公平に撮れてなくてごめんなさい。 (写真、文責:澤田)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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