第11回小水力発電を訪ねる旅~北陸方面(敦賀市と池田町)の発電所を巡る(2025/11/8-9)

今年で11回目となる「小水力発電を訪ねる旅」です。今回は敦賀市と池田町、北陸方面に行きました。

参加してくれたお二人、1日目は玉井さん(賛助会員:ジャパン総研所属)、2日目は春増さん(当協議会運営委員)が、感想レポートをお寄せくださいました。

まず、1日目の玉井さんからです。

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視察先①:黒河川発電所  

対応者:福井県民生活協同組合 組織NW支援部 渉外広報 (組合員活動・関係団体事務局、再エネ発電事業 兼務) 高井 健史 氏

■はじめに(素人としての感想)

私は小水力発電についてほとんど知識がなく、正直「水が流れてタービンが回るんだろう」程度の理解しかなかったので、最初は少し不安だった。しかし、現地を見て説明を聞くうちに、小さな川から電気をつくることがこんなに大がかりで、そして丁寧な仕事の積み重ねなのかと気付かされた。何より、黒河川発電所は、事業主体が生協ということにも大変驚いた。

JR敦賀駅
黒河川発電所のパンフレット

■1.JR敦賀駅から山の中へ

当日はJR敦賀駅に集合し、関係者の方々と挨拶をしたあと、近くの「黒河農村ふれあい会館」へ移動した。そこで案内してくださる福井県民生協の高井さんが運転するマイクロバスに乗り換え、いよいよ黒河川の上流へ向かった。車窓の外には、昔の発電所があったという話を聞きながら、山道をバスは進む。自然の中にある発電所ということで、想像以上に「山の中」に向かっていく感覚だった。

黒河農村ふれい会館、ここで全員集合、揃いました

県民生協さんの用意してくれたマイクロバス車内
黒河川

■2.取水堰堤を見て「水を取るだけ」の難しさに驚く

最初に案内してもらったのは、川の水を取るための取水堰堤と取水設備だった。私のような素人からすると、取水とはただ単に「水をせき止めればいいだけじゃないのか?」と思っていたが、実際は洪水時の流れ、落ち葉や流木、魚のことまで配慮した設計が必要で、非常に細かい工夫がされていた。自然の中に人工物を入れる、ということがどれだけ繊細な作業なのかがよく分かった。

上流部
取水堰堤
4mの堰堤

■3.取水設備には「落ち葉対策」という現実的な問題

次に、川の水を導水路に送るための取水設備を見た。ここで一番印象に残ったのは、落ち葉の話だった。黒河川周辺は広葉樹が多く、秋には大量の葉っぱが水に混ざるらしい。それが取水口に詰まると発電が止まるので、スクリーンをこまめに掃除したり、ネットを張ったり、維持管理がとても大切なのだと教えてもらった。「電気をつくるって、こんなに地道なんだな」と、とても頭が下がる思いだった。

案内、解説をしてくれた県民生協の高井さん、取水部の制御盤の前で
制水ゲート
沈砂池

■4.山の斜面に続く長い導水路

取水口の次は導水路を見せてもらった。取水した水をヘッドタンクまで運ぶ、1km以上の長い水路だ。山の斜面に沿って通している場所も多く、「よくこんなところに管を敷いたな」とシンプルに驚く。明治時代の古い水路と新しい水路が組み合わさっていたのが印象的だった。

導水路
新しくした水路(右の白いコンクリート)と明治時代の古い水路
落ち葉対策のネット

■5.水を落とす直前の「ヘッドタンク」

導水路の終点にあるのがヘッドタンク。ここで水を一旦ため、発電所に向けて一気に落とす。素人の私は、「ためる意味があるのか?そのまま流した方が早いのでは?」と思っていたが、水の量を安定させたり、土砂を沈めたりするために欠かせない設備らしい。除塵機が稼働するところも見せてもらい、落ち葉を排出する仕組みがよく理解できた。排出した落ち葉は自然に還元され、循環しているというのもよく分かった。

ヘッドタンクへ
除塵機
排出された落ち葉

■6.発電所で「電気が生まれる瞬間」を想像する

最後に、山の下にある発電所建屋本体を見学した。「ここで年間3,000MWh以上の電力が生まれます」と聞いた瞬間、不思議と電気が生まれる場面が目に浮かんできた。思えば、山の奥から取った水が、長い水路を通り、この発電所まで来て、回って、電気になる。当たり前に使っている電気にも、こんなドラマのようなストーリーがあることに気付かされる視察だった。

発電所(外観)
発電所(内部)
黒河川へ放流

■終わりに(素人としての感想)

今回の視察は、小水力発電という専門的な分野を素人なりに理解し、自然と人間の知恵の両方が支え合って成り立つ「電気づくり」を肌で感じられる貴重な機会だった。こうしたリアルな話を聞いて、「小水力発電=自然に優しいだけの発電」ではなく、人々の努力と技術の積み重ねによって成り立つ世界なのだと実感した。

【特に印象に残ったこと】

・川の流れ最大限活かすための工夫された設計

・落ち葉や流木との地味だけど重要な戦い

・山の斜面に長い導水路を敷く大変さ ・小さな川でも1,000戸分の電気を生み出す力

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視察先②:池田町たい肥製造施設アグリパワーアップセンター

対応者:池田町 副町長 溝口 淳 氏

■はじめに(素人としての感想)

昼食をはさんで、敦賀ICから北陸道へ武生ICまで移動。その後、池田町にある「アグリパワーアップセンター」を視察した。視察を案内してくれたのは池田町の副町長・溝口さん。溝口さんの説明と情熱に触れながら、「何をつくっている施設か」だけではなく、「なぜこの町で続いているのか」を強く感じる一日になった。

■1.副町長・溝口さん自ら案内してくれた

当日は池田町の副町長である溝口さんが先頭で案内してくださった。聞けば、この施設ができた当時は溝口さん自身も池田町の職員として立ち上げに関わっていたそうだ。

「池田町で出たものは、池田町に戻す。小さな町だからこそ、循環をつくれるんですよ。」

その言葉は、単なる説明ではなく、20年以上この施設と向き合ってきた人だけが持つ重みと熱があった。私はこの段階で早くも、「今日は設備を見るだけじゃなくて、人の想いも見る日なんだ」と感じた。

溝口副町長さん
アグリパワーアップセンター(外観)

■2.生ごみ・牛ふん・もみ殻、素材の「組み合わせ」の物語

最初に案内してもらったのは、生ごみの受け入れスペース。私のような素人には「生ごみから堆肥?」と少しピンと来ないが、溝口さんは丁寧に、そして誇らしげに教えてくれた。家庭から集めた「生ごみ」と「牛ふん」これらを混ぜ合わせ、微生物の力を借りて発酵させる。

「ところどころに見えるのナイロンのようなものは、分別しきれてないゴミなんですよ。」と話す溝口さんの表情には、「地域資源を使う仕組みのリアル」がにじんでいた。

生ごみを受け入れるスペース
発酵中のたい肥が、だんだん手前に押し寄せてくる
巨大なスクリュー状の羽根で、たい肥をかき混ぜ、発酵を促す

■3.堆肥が袋詰めされ「商品」になる場所

仕上がった堆肥が「土魂壌(どこんじょう)」という立派な名前で袋詰めされ、町内外に広く流通していることを教わった。名前もこだわっている。池田町を元気にする魂が込もっている。私は「堆肥=ただの土のようなもの」という認識が完全に覆された。これは地域の人の手で育てられた、大事な地域資源だった。

発酵したたい肥を乾燥させる
乾燥後のたい肥を分別機で余分なものを落として、製品へ
出来ました。これぞ名付けて「土魂壌(どこんじょう)」、近隣で売ってます

■4.循環をつくるのは「設備」ではなく「人」だと知った

生ごみを出す人、回収する人、堆肥化する人、農家として使う人。そのどれかが欠けても循環は成立しない。私は、堆肥づくりは「町ぐるみの取り組み」であり、アグリパワーアップセンターはその象徴なのだと理解した。

溝口さんの説明-1
溝口さんの説明-2

■ここまでの(素人としての感想)

今回の視察で心に残ったのは、堆肥づくりの仕組みそのものよりも、溝口さんの熱い想いと、この町が20年以上続けてきた取り組みへの誇りだった。

堆肥づくりを「地味な環境対策」と思っていた自分は、視察の終わりにはすっかり考えが変わっていた。アグリパワーアップセンターは、資源循環の拠点であると同時に、池田町の想いと誇りが詰まった場所だった。

【特に印象に残ったこと】

・生ごみを食品資源と呼び、それが「資源」になる循環の美しさ

・微生物の力を借りて堆肥が生きていく驚き

・地域の人の協力によって成り立つ仕組みであること ・溝口さんの情熱こそが循環の心臓部であること

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視察先③:池田町役場

対応者:池田町 副町長 溝口 淳 氏

■はじめに(素人としての感想)

池田町役場へ移動し、副町長の溝口さんによる「超豪雪山間地域における脱炭素への挑戦」という講演を聞いた。池田町については名前だけ知っていた程度で、どんな町なのか深く知らないまま会場に向かったが、話を聞くうちに私の中で「池田町の風景」が鮮明に立ち上がってきた。

池田町役場
池田町の紹介をする溝口さん
レクチャーの様子

■1.池田町という「水源のまち」

まず印象的だったのは、池田町が「水源のまち」と呼ばれていることだった。豊かな森から生まれる清らかな水が町を潤し、農業や暮らし、そしてエネルギーにもつながっているという話を聞き、「水が町を支えている」という表現が大げさでないと感じた。

さらに驚いたのは、「コンビニは0件」「信号機は2台だけ」「学校は1校のみ」という暮らしのスケールだった。不便というより、自然と向き合う生活の「密度の深さ」を感じ、都市部とは全く違う環境で日常が営まれていることが伝わってきた。

■2.人口と特別豪雪地帯としての現実

池田町の人口は約2千人ととても小さく、しかも高齢化が進んでいる。そのうえ特別豪雪地帯に指定されており、積雪量は想像以上。屋根に積もる雪の重さ、除雪の負担、冬の燃料費と暖房需要など、都市部の「雪国のイメージ」とは全く違う、生活を根底から揺さぶるような現実があることを知った。「豪雪地帯の暮らしは、脱炭素と言われても簡単にできないことばかりなんだな」と実感した。

しかし、そこで終わらずに「だからこそ挑戦する意味がある。」と語る溝口さんの姿勢が、とても印象に残った。

■3.農業と環境を重ね合わせたまちづくり

池田町は、農業と環境を組み合わせた独自のまちづくりを行っている。

① ゆうき・げんき正直農業

農薬や化学肥料に頼らない農業で、「正直」という言葉が町の姿を表しているようだった。

② 生命に優しい米づくり

清らかな水と豊かな土壌を生かし、環境に配慮した稲作を行う取り組みも紹介された。

③ 木育施設の充実

豊富なスギ材を活用し、木と触れ合う教育や施設整備を進めている。山が生活に近い町だからこそ、森林への理解を深める工夫が多いと感じた。

■4.雪国だからこそ生まれた脱炭素のアイデア

講演の後半は「雪国ならではの脱炭素化」についての話だった。

① 雪国の太陽光パネル問題と解決策

屋根に太陽光パネルを置いても、雪で埋もれてしまう。屋根の角度や雪下ろしの安全性を考えると、都市部のような設置方法は難しい。

そこで池田町では、

「屋根融雪型太陽光パネル(雪を溶かしながら発電を続ける仕組み)」

「野立て式太陽光(地面に設置)」

「垂直型太陽光パネル(雪が積もらない)」

「ソーラーシェアリング(農地の上で発電と農業を両立)」

のこれらを組み合わせて活路を見出している。

② 架台型太陽光パネルと「ヨモギ栽培」

高床式の架台の下で特産品のヨモギを栽培し、農業と発電を両立させる取り組みも進んでいる。様々な工夫が詰まっていて、とても興味深かった。

③ 豊富な水を活かした小水力発電

池田町の「水源のまち」という特徴を生かし、山の斜面や渓谷の水流を活用した 小水力発電 の可能性も語られた。太陽光が苦手な地域だからこそ、水の力が大きな武器になるのだろう。

④ 住宅の断熱とZEB・ZEH

暖房エネルギーが膨大になる雪国では、断熱性能の向上が費用対効果の高い脱炭素策であるという説明があった。

エネルギーを「つくる」ことも重要だが、「使わない」を意識する姿勢が印象的だった。

⑤ スギ材のバイオマス

池田町には豊富なスギ林があり、木材を燃料として使うバイオマスエネルギーは、森林整備と防災にもつながる「一石二鳥」の取り組みであると感じた。

■5.最終的な理想は「新電力会社」

池田町が描くゴールは、町のエネルギーを町で賄う「新電力会社」の設立だという。

ただし今は、担い手となる事業者がいない。

だからこそ、住民・行政・専門家が協力しながら、将来的に地域で完結するエネルギーの仕組みを目指しているようだ。

私は「大きな町でないとできないこと」だと思っていた脱炭素の挑戦が、むしろ小さくて資源の近い町だからこそ可能なのだと気づかされた。

■終わりに(素人としての感想)

今回の講演は、池田町の美しい自然に裏打ちされた「等身大の挑戦」を強く感じる時間だった。

素人ながら、池田町の挑戦は地方が脱炭素を進めるうえで重要なヒントが詰まっていると感じ、私自身の地域づくりの視点も広げてくれる貴重な時間になった。

【特に印象に残ったこと】

・よそにはない「水源のまち」としての強み

・雪国ならではの困難と創意工夫

・農業・森林・エネルギーが一つの円になっていること

・小さな町でも「未来のモデル」になれる力があること

・「池田町を次の世代に残したい」という熱意

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視察先④:木育関連施設(あそびハウスこどもと森・おもちゃハウスこどもと木)・まちの市場こってコテいけだ・冠荘・コムニタ

対応者:池田町 副町長 溝口 淳 氏

■まちづくりについて

講演後に、町が力を入れている木育関連施設と「まちの市場こってコテいけだ」を視察した。池田町といえば「水源のまち」「森林の町」という印象を持っていたが、実際に施設をめぐってみると、この町が「木とともに暮らす文化」を本当に大切にしているのだと強く感じた。どの施設も、豪雪地帯である厳しい自然と、そこから生まれる豊かな資源をうまく生かしており、深く印象に残る視察だった。

あそびハウス こどもと森(外観)
あそびハウス(室内)
のびのびとした空間、工夫いっぱいの遊び設備

■1.あそびハウス こどもと森

最初に訪れた「あそびハウスこどもと森」は、木と森をテーマにした子どもの遊び場だった。建物に入った瞬間、木の香りがふっと鼻に届く。壁も床も遊具もほとんど木でできており、自然の中にいるような気持ちになる。特に印象に残ったのは、外の森と室内の境界が薄く感じられること。外の地形や森の雰囲気をそのまま持ち込んだような設計で、子どもたちが自然とつながりながら遊べる工夫が随所に見られた。雪が深くて外遊びが難しい冬でも、木と触れ合い、森の文化を絶やさないようにする池田町らしい発想だと感じた。

ここでは、おもちゃそのものが「森からの贈り物」のように扱われている。積み木、パズル、滑り台、などすべてが木の肌触りと温もりにあふれていた。大人の私でさえ、木のおもちゃに触れるだけで心が落ち着く。「木ってこんなに優しい素材なんだ」と、改めて気づかされた瞬間だった。

池田町が森林資源を「刈る」「売る」だけでなく、教育や遊びの中にまで落とし込んでいることに感心すると同時に、町の未来への投資にも見えた

■2.まちの市場こってコテいけだ

木育施設をめぐったあとに訪れた「まちの市場こってコテいけだ」は、池田町の「顔」とも言える場所だった。ここでは地元の野菜、加工品、特産品が並び、農家さんや作り手の思いが感じられる陳列になっている。決して観光地として派手ではないが、どの商品にも誠実さと町の空気が宿っているようで、見ているだけで楽しかった。特に、池田町の名物や加工品は、木育施設で見た「林業」「農業」「山の暮らし」と深くつながっており、町の文化が地続きになっていることがよくわかった。まちの駅は単なる販売所ではなく、「池田町の暮らしの縮図」を訪問者に手渡すような場所だと感じた。

まちの市場・こってコテいけだ(外観)
こってコテいけだ(店内)
空き缶、ペットボトルの自動回収装置

■3.冠荘

池田町の山あいにある温泉宿、冠荘。

渓流温泉「冠荘」

館内に入ると温泉の湯気と木づくりの落ち着きが一緒になって迎えてくれた。露天風呂もあって、慌ただしい日常を忘れさせてくれる贅沢なひとときだった。

■4.ファームハウス・コムニタ

続いて訪れた本日の宿「コムニタ」は、池田町の暮らしの中に「交流と体験」をそっと置く場所だった。農家滞在、郷土料理体験、田舎暮らしを味わえる施設という説明をホームページで確認しながら実際に足を運んでみると、予想以上に開かれていて心地よかった。夕食は地元食材をつかった手料理のバイキング。日常と違う健康的な食事に大満足だった。夕食時には自己紹介の時間も設けられ、参加者同士親睦を図ることができた。

夕食会で乾杯!
池田町でとれた食材ばかりの美味しい食事
自己紹介タイム、えんえんと、、、

■結びとして(素人としての感想)

今回の視察は、敦賀市の黒河川発電所から池田町の各施設へと続く中で、単に設備や施設を見るだけではなく、「地域がどう未来をつくるか」という営みそのものに触れた時間だった。黒河川発電所では、水がどのように取り込まれ、導かれ、電気へと変わっていくのか、その一連の流れを実際の現場で体感した。落ち葉対策や導水路の施工、ヘッドタンクの役割など、素人の私には想像もつかなかった丁寧な仕事が積み重ねられており、自然と技術のあいだにある繊細な調整を知った。また、地域ごとの条件に合わせたエネルギーのあり方を考える重要性を改めて感じた。視察前は「小水力=自然に優しい発電」というイメージしかなかったが、現場の人の苦労や工夫を知ることで、電気が生まれる背景には地域に寄り添う知恵や努力が詰まっていると気づかされた。

そして池田町での講演と施設視察は、地域の未来を形づくる取り組みが、生活の中にどのように根づいているかを教えてくれた。水源のまちとしての誇り、豪雪地帯ならではの厳しさ、コンビニ0件・信号2台・学校1校という暮らしの規模感。その中で、木育・農業・資源循環・バイオマス・小水力・断熱など、多様な取り組みが互いにつながり、「地域で未来をつくる」姿勢が確かに息づいていた。どの施設も派手さはないが、町の人が自然と向き合いながら丁寧に暮らしている様子が伝わり、便利さでは測れない豊かさに触れたように思う。今回の視察で得た学びは、私自身が関わる地域づくりにも必ず活かせると感じているし、地域資源をどう未来につなぐかという問いに、改めてしっかり向き合うきっかけとなった。

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2日目、春増さんのレポートです。

関西広域小水力利用推進協議会主催:2025年北陸ツアー 2日目(11月9日(日))報告

2日目はあいにくの小雨模様、8時半に宿舎のコムニタを出て、池田町役場で本日参加組と合流し北陸電力の小水力発電所の持越(もちこし)発電所、白粟(しらわ)発電所に向かう。

持越発電所は1909年、白粟発電所は1929年にそれぞれ運開しており、ほぼ100年を超してなお運転を続けている小水力発電所である。

北陸電力大野水力センターの皆さん6名で、案内、対応いただきました

発電所建屋内は撮影禁止だったが、イームル(株)社製のフランシス水車が3台設置されていた。いずれも2000年ころにリプレースされている。運開当初は750㎾の出力という資料もあったが、100年を超える間の維持保守やオーバーホール等で効率が良くなり出力が増えたのだろう。

明治のこの時期は福井県内で多くのはた織り機械が導入され、その電源需要がこれらの小水力発電所建設の背景にあったとのこと。

持越発電所の取水堰
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-52.png
持越発電所、ヘッドタンクから建屋に3本の
ペンストック
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-53.png
白粟発電所、巨大な水圧管の中に水中だービンが入っている

昼食後、水海(みずうみ)地区に向かう。個人的にはこのツアーで最も関心を持っていた水海水力発電所の説明と見学である。もとは小学校の分校で今は地区の集会施設になっている建物で、説明を受けた。

合同会社の方から説明を受ける

地域の有志17名が小水力発電事業会社である「合同会社 水海電力」を立ち上げ、いくつものハードルを乗り越えて昨年3月に運用を開始した。ツアーに同行していただいた上坂先生(富山国際大学教授、全国小水協代表理事)がこの地区の出身で上坂先生の強力なサポートもあった。

「仕掛けを作って仕組みをのこす」というキャッチフレーズがタイトルになっている発電所建設の工程を水海水力の村上さんから詳しい説明をお聞きしたが、資料には記載されないいろいろなご苦労を交えたお話であった。

2016年から始まる事業の歴史、工程図

水海水力発電所の概要は以下の通り。

              有効落差:39.43m

              最大使用水量:0.69m3

              出力:199.9㎾

              年間発電量:1,313,343kWh (設備利用率:75%)(2024/4~2025/3の実績は74%)

              取水方法は既設の砂防堰堤に増設部を腹付けし、越流部にチロリアン取水設備を設けてある

              水圧管路:総延長 711.7m うちFRPM管 800m 水管橋31.1m

              水車はベルギーのJLA Hydro社のクロスフロー

              総事業費:422百万円 うち金融機関(福井信金)の融資額は346百万円

              なお、水海水力の資本金は設立時は177万円で令和5年に2900万円に増資されている。

水海水力の事業として、水海区の自治活動の支援を通じて水海区の「賑わい創出事業」を掲げている。地域の資源を生かし、地域の活性化に貢献している典型的な小水力発電である。合同会社を立ち上げた17人の心意気に改めて敬意を表して報告を終わりたい。

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今回の研修ツアーでは、福井県民生協の高井さん、池田町の溝口さん、北陸電力大野水力センターの皆さん、合同会社水海水力の皆さん、そして事前コーディネイトを手伝って頂いた上坂さん(富山国際大学)と下村さん(運営委員)に大変お世話になりました。皆様、本当にありがとうございました。

充実した2日間を終えて、解散時いは「さて、来年はどこに行きましょうか?」と早くも来年の行き先を皆さんに相談したところです。

バスを京都から仕立てての1泊2日ではなく、会員有志のマイカーに同乗するというスタイルで催行しました第11回でしたが、もし、このスタイルで皆さんにご満足いただけるようでしたら、次からも、と考えております。

引き続き、関西広域小水力利用推進協議会をよろしくお願いいたします。      (事務局:里中)

全国小水力利用推進協議会創立20周年記念・全国小水力発電大会~第10回さいたま~「気候危機と小水力 これまでの20年 これからの20年」に参加して

本大会に参加をしましたので、その内容と感想を述べます。なお、事務局発表で2日間の参加者は延べ1,300人でした。

開催日 :11月5日(水)

開催場所:さいたま市ソニックシティ 

開会挨拶  全国小水力利用推進協議会会長 竹村 公太郎         

※開催挨拶ではこれまでの協議会の歩みについての話と、気候危機下での小水力の役 割についての話がされました。

◎第一部 基調講演

「気候危機と再生可能エネルギー」

  講師:平田 仁子(一般社団法人Climate Integrate 代表理事)

※基調講演では現在の気候状況と今後の見通しについての話と共に、エネルギー 

システムの転換の必要性が話されました。

◎第二部 「小水力発電これまでの20年、これからの20年」

「全国協議会の20年間の歩みを振り返る」

    小林 久(茨城大学名誉教授)

  ※全国小水協の設立当時の話として、小水力を再生可能エネルギーへの組み込みに

   成功した様子が話されました。

◎「未来に向けたリレートーク」

   コーディネーター:服部 乃利子(静岡県 地球温暖化防止活動推進センター)

   パネリスト:  村川 友美(株式会社リバー・ヴィレッジ)

           平田 仁子(一般社団法人Climate Integrate)

           上坂 博亨(富山国際大学)

           及川 斉志(みずいろ電力株式会社)

リレートークの様子です。

  ※及川さんの水力発電所設置体験の話に始まり、村川さんのこども水力発電所に

   ついての話が続きました。実体験の話が、一番わかりやすいと感じました。

◎「企業プレゼンテーション」(6社)              

  ※今回の企業出展社は35社でした。初日はそのうちの6社が発表されました。どの  プレゼンテーションもかなりの人が入り、多い時には120名ほどの人が参加していました。

11月6日(木)

  ◎第三部 分科会・企業プレゼンテーション

企業のプレゼンテーションの様子です。

分科会1「小水力若者会議」                       

      コーディネーター:小出 愛菜(陸前高田しみんエネルギー株式会社)

      登壇者: 黒部 睦(環境アクティピスト・Artivist)

           山本 大貴(recofdl.5代表環境アクティピスト大学生)

           及川 斉志(みずいろ電力株式会社)         

※及川さんから水力発電所の建設話から始まり、黒部さんは情報発信者として活動されているとのことで、情報をもらえればどこにでも取材に行くとのことでした。

小出さんはいかに地元で小水力発電に取り組めるか模索中とのことで、今後が楽しみな話でした。

分科会2「市民小水力発電とファイナンス」

      コーディネーター:手塚 智子(株式会社市民エネルギーとっとり)

      登壇者: 小林 ユミ(NPO法人北海道グリーンファンド)

           蓬田 裕一(お乙りま進歩エネルギー株式会社)

           吉田 幸司(株式会社自然エネルギー市民ファンド)

※本会は話をあまり聞けませんでした。

分科会3「小水力発電業界で働くということ」   

       コーディネーター:松崎 将司(株式会社マツザキ)

       登壇者:中山 直希(株式会社アルプス発電)

           高野 侑実(日本小水力発電株式会社)

           中路 宗志(株式会社リバー・ヴィレッジ)

           中本 滋已(三峰川電力探式会社)

 ※若い人たちがどのようにして働いているのか、入社のきっかけなどの話があり、まだまだ人材不足と言われている中で、ほんの少し安心できる内容でした。

分科会4「地域新電力にとっての小水力発電」          

       コーディネーター:中島 大(一般社団法人小水力開発支援協会)

       登壇者:稲垣 憲治(一般社団法人ローカルグッド創成支援機構)

           小野 優太朗(おきたま新電力株式会社)

           海部 岳裕(飯田まちづくり電力株式会社)

※本会は話をあまり聞けませんでした。

企業プレゼンテーション 

11社のプレゼンテーションが開催されました。※かなり多くの方が参加されました。

 分科会の様子です。

企業展示も行われていて、ここもたくさんの方が訪問していました。

企業展示の様子です。

感想

 第10回の全国小水力発電大会でしたが、全体的に参加者が増え若い人・女性が特に多くなったと感じました。また、小水力に本当に興味を持って参加してもらっているようでした。

 来年は山形で開催予定とのことでとても楽しみです。

          (文責)関西広域小水力利用推進協議会副会長:竹尾敬三

流量観測を体験してみました(8/26神戸市)

小水力発電をやろうとする時、目的の川にはどれくらいの水量があるのか、それが分からないと計画も事業化も出来ないです。関西広域小水力利用推進協議会は過去、3回ほど、流量観測のやり方についてレクチャー、体験会をしてきましたが、実際に人が川に入ってやる場合、「どこの川でなら可能か?」「そこへのアクセスはどうか?」と言う点で、なかなか場所探しが大変でした。

流量観測は「取水ポイントの近くで測定する」のが原則ですが、その取水ポイントが、どうしても山の奥、渓流を登るとかになってしまい、そこまでのアクセス、近づく方法など、複数名で体験会をするのは難しいことで、計画が先延ばしされてきました。

しかし、新しい会員さんもいるので、久しぶりにやってみようと言うことになり、今回は神戸市須磨区にある妙法寺川という場所を、「(公財)ひょうご環境創造協会」さん、「再生可能エネルギー相談支援センター」さん、会員の河原一郎さんのご協力を得て、JRの駅からアクセスできる場所で、実施できることになりました。

以下、写真とキャプションで様子を報告します。

参加者19名、講師の河原さんがまずは事前レクチャー

   

まずは、この流量観測体験会をするまでに必要な「届け出」について、河原さんから説明がありました。「妙法寺川を管理する県土木事務所に、このような届け出をしました」「添付書類も添えて、こういう事をしますから、一時的に川に入りますとの説明をしてからでないと勝手に川には入れません」・・・流量観測の最初の第一歩です。

ここが、妙法寺川。川と言うより水路に近いですが、練習用には適度な幅と深さでした
電磁式流速計の初期設定をします
川の水をバケツに入れて、この日の水の温度と水質を感知しながら「ゼロ設定」
4グループに分かれて、まずは川幅を測ります
川幅を6等分して、6ヵ所の水深を測る(川幅は左岸をゼロとする)
3区分した中央ヵ所に流速計を入れ、水深の6割(川底から4割のポイント)に電磁ヘッドかプロベラが当てて、流速を計測
こちらはプロペラ式の流速計で

流速計を使わない「浮子(ふし)法」。川の中央に浮かんでいるのは、水を入れたヤクルト容器。それが5mの距離を流れる秒数を測る。

部屋に戻って、計測した数値を集計エクセルに入力
川幅、水深、流速の数値を入れていけば、エクセルが自動計算します。4グループの数値を入れてみて、さて、今日の流量はいかに?

「再生可能エネルギー相談支援センター」の河原さん、津田さん、石居さんと、当協議会賛助会員の「(有)イー・セレクト」の職員さんは、これまで何度も流量観測を経験していますので、こうしたエクセルを使いこなしています。

計算はエクセルがやってくれるとしても、要は、「流量測定って、どういう理屈でやっているのか?」とその原理と基本が分かってないと意味がないでしょう、と言うことでここの部分は、質疑応答も含めてしっかり学んでもらいました。

さてさて、計測の結果のほどは・・・4つのグループがそれぞれに「0.059」「0.062」「0.051」「0.062」、浮子法が「0.058」となりました。

単位は、㎥/秒 です。

なので、0.059は、リットルで言えば「1秒間に59リットル」の水量となります。

ほぼ60ℓくらいの水量だと観測できましたが、精度を上げていくには、測定回数を増やすことです。年間水量の測定をすべしですが、毎日、流量観測はできないので、そこを「水位計設置」「年間水位データの取得」と言う方法で補っていきます。

ここから流況曲線を出すまでの説明、理論は今回の半日学習では駆け足になりました。今後、協議会イベントの続きとして、講師役の河原さん、副会長の岡山さん(イー・セレクト代表)の都合が合いましたら、冬季にでも学習会の続きを回したいと思います。

ひとまず、参加者の皆さんが事故もなく、熱中症で倒れることもなく、無事、流量観測体験会を終えましたこと、皆さんのご協力にお礼申し上げます。

                          文責:事務局(里中)

(募集終了しました)11/8-9、今年の小水力ツアーは北陸方面(敦賀市+池田町)

9月末で定員になりましたので、今回の募集は終了しました。総勢23人の参加となりました。皆様、ありがとうございました。

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今年で11回目を数える秋の小水力研修ツアーについて、下記のように大体の予定が見えてきましたので、募集を開始します。

〇エントリー申し込み先(9/30一次締め切り、ただしそれまでに定員になった場合は、その時点でエントリー申し込みを終了します)

https://docs.google.com/forms/d/1htgWLd53ahkIygvGEUibtWEu3DNYC5P7_Lbb-eeSa-Y/edit

今回は、これまでのように「京都駅集合、バス1台貸し切り、京都駅に戻る」と言うスタイルをとっていませんので、ご注意ください。

すなわち、今回は初めて「現地集合/現地解散、移動手段は基本的に協議会が用意したマイカーに同乗する」と言う方法をとります。

理由は、貸し切りバスのコスト/ドライバーの費用が上がっているのと、取水部への進入がバスでは無理で結局、普通車に乗り換える必要が過去も生じているので、最初から普通車(5台を限度に)を使って乗り合わせて行こうという事になりました。

5月の「名張/お出かけ総会、見学会」の時に、テストしてみましたが、その時は短距離、短時間でしたので問題は無かったですが、今回は高速道路も使う長距離となります。

「協議会の理事スタッフが用意したマイカー」にかけてある損害保険については、事前に精査しておきますし、参加者全員には「イベント傷害保険」をかけますが、最終的には参加者皆さんの自己責任での参加となりますこと、あらかじめご了承のほどお願いいたします。

<注意事項>

・宿泊先の定員が20名となってます。予備部屋を利用したとしても、23人が限度ですので、なるべく早くエントリーをお願いします

・現地集合/現地解散までの交通費はそれぞれに自己負担、2回の昼食も各自支払い、宿泊先も各自払いとする予定ですので、ツアー全体の合計請求書は出しません。※去年までは取りまとめ旅行会社が各自に請求書を出していました

・マイカー同乗に係る経費(ガソリン代、ETCなど)をどう割り勘にするか、イベント傷害保険料、資料代、手土産代などは、協議会が調整して皆さんに少しずつ負担してもらう事になりますが、協議会はインボイス登録者ではないので、ご了解ください

・「マイカー乗り合わせ」は初めての事ですので、予想外のことがあるかも知れません。皆さんからのご指摘、アドバイスを踏まえて、9月末までにはツアーの全体像を見定めていきたいと思います

<ツアー行程予定>

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〇1日目=11/8(土)午前10時、JR敦賀駅西口集合、送迎マイカー停車場に集合(一時停車のみ短時間、駐車はできない)

https://www.navitime.co.jp/maps/poi?code=02036-00006999001&from=pc.poi

(協議会マイカー4台+敦賀より調達するレンタカー1台を想定)

(それぞれに分乗して、ドライバー含む4人乗り5台=20人を想定)(どう乗り合わせるかは、エントリー状態を見て考えます)

敦賀市内、黒河方面へ移動

10:30-11:30 黒河川発電所、建屋と取水部、事業主福井県民生協から説明

11:30-12:00 敦賀市内へ戻り昼食(さかな街に車を停めて、近隣のお店に分散する) さかな街 https://www.sakanamachi.info
千成そば https://map.yahoo.co.jp/v3/place/cRMelAL_Q4w

海鮮アトム敦賀若葉店 https://www.kaisenatom.com/shop/6834/#googleMap
ココス ハーツつるが店(若葉交差点) https://www.google.co.jp/maps/place/35%C2%B038’01.5%22N+136%C2%B002’55.0%22E/@35.6337559,136.0460377,17z/data=!3m1!4b1!4m4!3m3!8m2!3d35.6337559!4d136.0486126?entry=ttu&g_ep=EgoyMDI1MDcyOS4wIKXMDSoASAFQAw%3D%3D
車ごとかグループごと、各自清算でランチをとる

13:00 さかな街パーキングに再集合して、敦賀市内出発、池田町へ移動

14:30 池田町に入り、下記2つの発電所を見学(北陸電力へのアポは上坂先生に依頼中)

※富山の上坂先生は、ここから合流する予定=マイカーが1台増える

持越(もちこし)発電所、北陸電力

http://www.suiryoku.com/gallery/fukui/motikosi/motikosi.html

白粟(しらわ)発電所、北陸電力

http://www.suiryoku.com/gallery/fukui/sirawa/sirawa.html

16:00 北電発電所を出て

16:30-17:30 冠荘にて温泉入浴(コムニタ泊の人は500円割引券あり)

https://kanmuri.net/

※冠荘とコムニタは、川を挟んで徒歩10分、車で5分の距離

https://kanmuri.net/access/

18:30- コムニタにて夕食/交流会 

※ここの宿泊定員が20名、予約済み(予備部屋はまだ相談してません)(男女別の部屋割り)

※夕食会場は26人程度の椅子はある(宿泊以外の人も参加可能)

ファームハウス・コムニタ (1泊2食付基本料金¥14000、各自清算可能)(アルコール代は別途精算する・要検討)

〇1日目=11/9(日)8:30 池田町役場に集合

町役場会議室にて池田町の脱炭素計画、先行地域の事業プランなどを副町長の溝口さん、担当者からレクチャー

9:30-10:30 こどもハウス(木育施設)で体験学習 (町役場の近く)(町内産木材の利用促進)

https://www.kodomotoki.ikeda-kibou.com/

10:30-11:00 移動

そばの里池田屋 昼食 (各自注文、各自清算)(手打ちそば)

https://www.e-ikeda.jp/eat/p004012.html

近隣散策など、12:00に再集合、水海地区へ出発

12:30-14:00 水海川発電所、建屋、取水、事業者との懇談(上坂先生、事業者の皆さん)

帰路の途中、池田町金山地区を経由

14:30 たい肥製造施設「アグリパワーアップセンター」

「地域資源連結循環型農業」=家庭生ごみから有機肥料「土魂壌(どこんじょう)」を製品化、有機農業で安全な農産物の育成を促進し、販売までしている

15:30 すべての見学を終了して、武生インターに向かう

17:00 敦賀駅で解散

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〇エントリー申し込み先(9/30一次締め切り、ただしそれまでに定員になった場合は、その時点でエントリーを終了します)

https://docs.google.com/forms/d/1htgWLd53ahkIygvGEUibtWEu3DNYC5P7_Lbb-eeSa-Y/edit

いろいろと、ご不明な点はあると思いますので、下記、協議会メルアドか里中まで、お問い合わせよろしくお願いいたします。

(事務局)里中=080-7051-5830

協議会メルアド=info@kansai-water.net

2025/8/26(火)「Let’s try 流量観測(入門編)」体験会します

関西広域小水力利用推進協議会では、今年の事業として下記のように、流量観測のイロハ体験会を実施します。

過去、何度かやりましたが、新しい会員さんも入っておられますし、自治体会員さんの側としては調査事業に補助を出す立場として、「流量観測とはどういう理屈なのか」のご理解を深めてもらう場にもなろうかと思います。

下記の要項の通り、8/23(土)までにGoogleフォームにエントリーをお願いします。

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「Let’s try 流量観測(入門編)」体験会

・日時:2025/8/26(火)午後1時、集合(下記の会場、協会正面玄関)

    野外活動と屋内座学を交えて実施

    5時頃、解散予定

※雨天決行(開催現地に、午前中に大雨警報が出ていれば、中止します)

※服装、持ち物:帽子、水筒/水分補給、タオル、水に濡れても良い服装で。もし持っていれば、長くつ(ひざ丈が適当ですが、なければ普通の長くつで構いません)

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・会場/場所:ひょうご環境創造協会

公益財団法人ひょうご環境創造協会 本部

https://www.eco-hyogo.jp/about/access/

JR神戸線、鷹取駅から西に、徒歩10分

・講師/指導員

河原一郎さん、津田和典さん(同協会、再生可能エネルギー相談支援センター職員)

岡山秀行さん(関西小水力協議会:理事副会長、賛助会員:イー・セレクト代表)

・参加料:協議会会員は無料、非会員/一般参加者は¥3,000

・申し込み:下記、Googleフォームに、8/23(土)までエントリーお願いします

https://docs.google.com/forms/d/1-t9CLSw8uOE6IQQrl4PaBd5BrAT-g7irb_pECCthGxg/edit

・主催:関西広域小水力利用推進協議会

・問い合わせ:協議会TEL=080-7051-5830(里中)

 メールアドレス info@kansai-water.net

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第14回お出かけ総会と見学会(2025/5/31 三重県名張市)

今年で14回目を迎える関西広域小水力利用推進協議会の総会が5月31日(土)に三重県名張市の市民情報交流センター(ナバリエ)にて開催されました。

今回はいつもと趣向を変えて、総会に先立ち午前中、会場に程近い発電所の見学会をセットした“お出かけ”総会の形式となりました。

2016年運転開始の青蓮寺用水発電所。名張市内の青蓮寺ダムから取水する農業用水を活用し、最大出力183kwで一般家庭の約140世帯分に相当する約510,000kwh/年の発電可能電力量との計画概要です。

青蓮寺ダムを背景に発電所下に集合
「水土里(みどり)ネット青蓮寺用水」事務局長の中瀬さんの説明を聞きました
青蓮寺ダムと農業用水配水が出来て以後の2016年に、小水力発電を追加しました
下から上に加圧された水が配管を通って、左右に配置された、大/小クロスフロー水車を回します
ダムから取水された2本の配管、赤くて径が大きいほうが中部電力発電所へ、左が農業用水、これを途中で、小水力発電に利用しています

なお、当該発電所見学会の模様は6月1日付・毎日新聞伊賀版でも紹介されています。

https://mainichi.jp/articles/20250601/ddl/k24/040/099000c

午後からの総会では、見学会の準備にも携わっていただいた竹尾敬三理事(名張市在住)が議長を務め、新川達郎会長により各号議案の提案と説明がなされ、いずれも参加者の承認を得ました。

また新川会長も役員として参画する特定非営利活動法人全国水環境交流会が去る5月20日、中野洋昌国交相に提出した「流域総合水管理に向けた市民連携の強化に係る要望書」についての紹介もありました。(文責:運営委員、瀧与志)

「諦めない小水力 連続講座5回目:小早月発電所、12年の歩み~メンテナンス秘話あれこれ」

2023年秋から続けている「諦めない小水力発電 連続講座」も5回目となりました。

今回は、昨年2024年11月さいたま市で開催された全国小水力発電大会で久しぶりに再会した、富山県アルプス発電、小早月発電所所長の砂子真輝さんに京都まで来ていただくことになりました。

さいたま大会の時に「うちの発電所、去年、オーバーホールしたんですよ」と伺いました。小早月発電所さんは2012年に運転開始をしています。FIT開始直前のころ、民間の小水力発電所としてはトップランナーのような事業者さんなので、何をするにも「一番のり」の苦労があるでしょう。そこをぜひ、関西小水力協議会でお話しくださいとお願いしておりました。

この連続講座は(ここだけの話)が多いので、いつものように、発表された全部のスライドを印刷したり、ここでご紹介することはできないのですが、当日、大雪の中を富山から高速道路を飛ばして駆けつけてくださった砂子さん、たくさんの写真を用意していただき、本当にありがとうございました。

5回目の様子を写真とキャプションで簡単に紹介します。

砂子講師が大雪(高速道路閉鎖)のため到着が遅れたので、参加者どうしで、先に自己紹介をしました
待ち時間の間、賛助会員さんの会社活動説明も
見学者用のパンフレット
約1時間遅れで、講師の到着!
オーバーホールの様子を説明してくれました
小早月発電所の水車は、2射ターゴインパルスです
「う~ん、それは答えにくい質問ですねぇ」

砂子さんは過去の全国大会で発表された時も「伊勢神宮が式年遷宮ということを繰り返すのには、特有の建築技術を継承する、世代交代する意味があるのではないか」と持論をおっしゃった事を聞いた記憶があります。

今回も、所長さんとしての過去の経験をできる限り記録して、次の所長さん候補の若手に残していくという事を心がけているとお話ししてくれました。

電力会社各社には、各社それぞれのメンテナンス体制、定期点検マニュアルなど、水力発電の歴史を重ねた蓄積が継続されていると想像します。

電力会社と民間事業者とでは、会社の規模も発電量も人材も違うので一概に比較はできないでしょう。ある意味、電力会社のされている事をすべて真似できるものでもありません。また、小早月発電所は民間でもかなり大きな出力の発電所です。民間発電所の多くを占める200kW未満で、小早月さんと同じ事が出来るかと言うと、そこも新たな工夫が必要かも知れません。

水力発電所は、建設が完成したらホッとしがちですが、本当の真価を発揮するのはもちろん運転開始以後であり、そこから長寿命を維持していく事が他の電源と格段に違う長所だと言われています。

運転開始直後は、どんな発電所でも、さまざまに調整が必要なことが出てきて、予想外のアクシデントもありがちです。しかし、そこはまさに、先輩格の人や技術経験者から知恵をもらったりして、改善改修を繰り返し、計画予想通りの年間発電量を目指すのが本来の姿です。計画通りの発電量が出ないのは、どこかに問題があるのでしょうから、そこを改善していかなければ、せっかくコストと労力をかけた水力発電所が泣いてしまいます。

今回の講座を開催するにあたり、古栃社長様を始めとするアルプス発電さんの皆さん、砂子さんに改めてお礼申し上げます。(文責:事務局里中)

「諦めない小水力・連続講座第4回目」水力発電を志して75年~小水力を未来につなぐ 2024/12/21

2023年11月に第1回目の講座を開催して以来、2023年度内に3回の開催を終えて、今年度も継続して第4回目の連続講座を行いました。

今回の講師は、当協議会の監査役、奥村一(おくむら はじめ)さんです。

お生まれは1929年、御年95歳のまさに”関西小水力協議会のレジェンド”と呼ばれる方です。これまでも当協議会の各種イベントにお知恵を貸してくれましたし、小水力ツアー、見学会にも積極的にご参加いただき、年齢を感じない活躍に私たちは大きな励ましをいただいてきました。

それでも、奥村さんに(水力発電に関して系統だったお話)をこれまで、一度もうかがってなかったので、今回の講座は「思う存分、奥村さんの水力人生を語りつくしてください」とお願いしました。

2024/12/21、ウィングス京都にてこのテキストを使っての講演会が始まりました。

以下、内容を全部もうらすることは出来ませんが、写真と一部スキャンデータでお届けします。

「私の略歴からお話します」
「ダム、発電所の可能性調査ほど楽しいものはなかった」
琵琶湖疏水、田辺朔郎秘話もたくさん
かくしゃくと質問に答える奥村さん
「何事もトータルで物事を判断する必要があります」
「水力の価値の認識を上げましょう」

配布された資料は全部で75Pもありました。「内部資料」とされていて個人情報、固有名詞が出てくるのですが、最後の部分、奥村さんが私たちへのメッセージとして、おっしゃりたかったページだけご了承いただき、データとして公開します。

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奥村さんの渾身のメッセージを、私たちはこれからも大切にしたいと思います。

ますますお元気な奥村さんです。これからも関西小水力協議会、日本の小水力のためにご尽力、貢献いただきますよう、どうか私たちに力を貸してください。

奥村さん、本当にありがとうございました。     文責:里中(事務局)

第10回小水力発電を訪ねる旅~中国山地東部3つの発電所を巡る(2024/10/19-20)

関西広域小水力利用推進協議会が主催する、各地の発電所を見学する旅、今年で10回目を迎えました。

2018年に「鳥取ツアー」をして以来、近隣ではありますが、今年は、鳥取県南部や岡山県東部、兵庫県北部エリアを選んでみました。1日目の最初は、西粟倉村が建設した2つ目の水力発電所「みおり発電所」。村営かのようにみえますが、事業主体は「あわくら水力発電株式会社」というSPCです。

午後は、西粟倉村からそんなに遠くない、鳥取県八頭郡智頭町に移動して「富沢発電所」を訪問しました。

(参考資料:水のプログラム 中国地方の水力発電所)

http://mizupro.starfree.jp/hydro_power/index.html#01

2日目は、今年5月に運転開始したばかりの「小長辿(こながたわ)発電所」です。

10/19日の見学の様子を、参加された窪田さん(株式会社フジタ)、10/20を遠藤さん(神戸市)がレポートをくださいましたので、以下、ご紹介します。

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(10/19:窪田さん)

1.はじめに

 10月19日、新横浜7時43分発ののぞみ297号で姫路へ。関西広域小水力利用推進協議会の見学会は、昨年7月の「兵庫県の2つの発電所」、同年9月の「高山方面の小水力発電所」に次いで3回目です。

 (株)フジタで小水力発電事業に関わって2年半になりますが、実際に運転されている発電所を見学し建設・運転管理の苦労話を伺う機会は限られているので、関西小水力協議会の見学会は貴重な機会でいつも楽しみにしています。

 10時55分、京都からのバスに二次集合部隊が合流し、総勢23名で一路岡山県西粟倉村を目指します。

2.西粟倉第2発電所「みおり」

 岡山県西粟倉村の道の駅「あわくらんど」で上山副村長と待合せ、「西粟倉第2発電所(最大出力199kW、使用水量0.4㎥/秒、有効落差66.43m)」に向かいました。道の駅に隣接し、農業用水を活用し親水公園と組み合わせた「影石発電所(最大出力5kW、使用水量0.06㎥/秒、有効落差13.2m)」があり、西粟倉村の小水力発電に対する意識を実感します。

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影石発電所
発電所上の親水公園

 見学先への道沿いには改修が終わった「西粟倉第1発電所(290kW)」も見えました。

 西粟倉第2発電所は公募した愛称が「みおり」といい、「西粟倉に流れる自然のめぐみとしての『水』が『織』りなす『利』の可能性を大切にする」という「水織利」の思いが込められているとのことでした。

 先ずは取水口地点へ。既設床固工を流用し、側方から取水する形で水槽、スクリーン・除塵装置、沈砂池と続き、ダクタイル鋳鉄管の水圧管路につながります。

 上山副村長のお話しでは、地権者の理解を得ながら取水口位置を選定したうえで、村が管理する普通河川に設置しているので様々な取り組みができたそうですが、水槽や沈砂池の形状・容量など、まだまだ改良の余地はあるとの事でした。これから新規に開発を目指している我々にとって、非常に貴重なお話しです。

取水口全景、下流側より
取水堰堤に流用した既設床固工

 水圧管路は川沿いに延びる村道に縦断埋設されています。この点も、新規に開発を計画する自治体によってはなかなか許可をいただけず、村主導の事業のメリットを感じました。この管路には経済性を追求して、作用する水圧に応じて上流側はダクタイル鋳鉄管、下流側はダクタイル鉄管が使用されていますが、水路予定地の地盤の状況によりルートを見直すと鋳物を新たに作り直す必要があり、工程確保に苦労されたとのお話しでした。

 取水口から約1km下流に発電所があります。発電所の対岸には村の上水道取水設備(井戸からの揚水を利用)があり、下流には農業用水の取水口があります。上水道は地下水を揚水するので直接は関係ないが、水不足になった時にも問題が生じないように上流で放流することにしたとのお話しでした。発電計画には様々な配慮が必要と改めて実感しました。

西粟倉第2発電所全景
発電所対岸の上水道取水設備

なお下流の農業用水取水口には低落差用の1.5kWのピコ水力発電所も設置されていました(見学当日は発電機が取り外されており、発電量はゼロでした)。

みおり発電所下流の農業用水取水口
取水口に設置されたピコ水力(取外し中)

 水車発電機は横軸ターゴ水車です。一般的にこの規模の発電所ではフランシス水車が使用されるケースが多いのですが、西粟倉第2発電所では河川流量変動に応じた運転範囲の広い横軸ターゴ水車を採用したとの説明をいただきました。発電所内には、ノズルの先端で流量を調節するニードル・チップの摩耗交換品が展示されていました。ステンレス鋼の塊であるニードル・チップが水流に混じった土砂で削られており、水の力を実感しました。

発電所内、ターゴ水車全景
ノズル先端のニードル・チップ交換品

上山副村長からは、西粟倉第2発電所で作った電気を「同期発電機の採用を指示する中国電力へ連系するか、4kmの自営線とキュービクルの新設が必要な関西電力へ連系するかで非常に苦労した」といったホンネの話や、「西粟倉村はこれまで『脱炭素・環境保全』から再エネ開発に取り組んできたが、これからは『生物多様性』がキーワード。生物多様性を追求する中で小水力開発も位置付けていく」といったお話しも伺いました。「百年の森林構想」を推進してこられた当事者だからこその説得力を感じました。

 見学者からの質問にも率直にご回答をいただき、上山副村長に深く御礼を申し上げます。西粟倉村の生物多様性への取組みの成功を心より祈念いたします。

3.富沢発電所

 西粟倉村から50分ほどで次の見学先、鳥取県智頭町の「富沢発電所(最大出力152kW、使用水量0.4㎥/秒、有効落差41.74m))」に到着しました。ここは富沢電化農業協同組合が発電事業を行い、管理運営は京葉ガスエナジーソリューションが行っています。現場では、同組合の代表理事で、運転を行っている京葉ガスソリューション株式会社の社員でもある建部様が対応してくださいました。

 富沢発電所は、旧発電所は昭和28年(1953年)に120kWの町営発電所として建設されたが、FIT認定を得て改修し152kWとして2022年3月に運転を開始しています。

富沢発電所全景
横軸フランシス水車

発電所には横軸フランシス水車、発電機、制御盤等が設置されていますが、その前に大型画面をセットしていただき、取水口や導水路経過地をドローンで撮影した映像で説明してくださいました。

 旧発電所は建部様の曽祖父がご尽力され町営発電所として建設・運転されてきましたが、1970年代前半に組合に移管され、その後は建部家の皆様が代々運転管理されてきたとの事、発電所更新の話が出る中でお父様も逝去され、建部様が地元に戻って改修工事を完成されて現在に至っているとのお話しでした。

 建部家歴代の思いが詰まった発電所を見学させていただき、また現在お勤めの京葉ガスエナジーソリューション株式会社では鳥取県内11カ所を含む西日本エリアの発電所を管理して、出水時対応や各種補修作業は社員が直営で対応しておられるとの話も伺い、建部様をはじめとする関係者の皆様の発電所に対する深い愛情を感じた次第です。富沢発電所が、建部家の孫子の代まで順調に運転を継続されることを願っております。

4.おわりに

 2日目の小長辿発電所も含めて、今回も非常に充実した見学会でした。見学先では、発電所を建設し運転管理されている当事者の皆様が丁寧に説明し、率直に質疑にご回答をくださいました。皆様の小水力発電に対する熱い思い、愛情を感じました。

 またバスの車内、夜の懇親会を通して、関西広域小水力利用推進協議会の皆様とより深く交流し、貴重な人的ネットワークを築かせていただく事ができました。誠にありがとうございます。

 できる事なら、協議会の皆様にご見学いただけるような小水力開発を東日本エリアで推進していきたいと意を強くしたところです。引き続きよろしくお願いいたします。

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(10/20:遠藤さん)

今年6月に入会しました新会員の遠藤から2日目(10/20)の報告をさせて頂きます。

雨上がりの少し肌寒い2日目は、㈱鴻池組さんが兵庫県美方郡香美町小代地区で運営する「小長辿(こながたわ)発電所」を、午前中いっぱい掛けて見学させて頂きました。施設の導入から維持管理まで、地域の住民や事業者の方々と密接に連携しながら取り組まれており、令和6年5月に運転を開始した出来立ての発電所です。そして、コーポレートスローガンの「まじめに、まっすぐ」をそのまま形にされた小水力発電所だな、というのが見学後の正直な印象です。

 過疎化が進む地域の危機感と将来への思いをくみ取りつつ、安全で脱炭素に貢献する地域資源を活用した再生可能エネルギーを拡大目指されています。赤字にはならないまでも、決して儲けが多いとは言えない小水力発電の中長期計画を立てたうえで、チャレンジされているということが、㈱鴻池組の井澤環境イノベーション部長の明るく丁寧な説明を聞き、よく分かりました。

取水と発電機の有効落差が209mもあり、アクセス道路が細くてバスが通れないため、2班に分かれての現場見学となりました。流れ込み式の最大出力199kWの真新しいイタリア製の6射式縦軸ペルトン水車と発電機は、水量が0.115㎥/sと比較的少なめなためか音は大きくなく、建屋の外ではほとんど気にならないレベルでした。訪問時には、水車の6射中5射が働き約180kWの電力を生み出してくれていました。

取水施設と沈砂槽
発電所建屋と圧力管
6射縦軸ペルトン水車と発電機

今回の一連の見学を通じて、自分なりに当発電所の5つのストロングポイントを見て感じ取ることができましたので、以下のとおりご紹介させて頂きます。

➀一つ目は、「取水施設の見学のため約200mの落差分をつづら折りの険しい坂道を上り下りすることで、急峻な地形をダイナミックに活用している小水力発電であることが体感できること」です。

標高約600mの山上で既に廃村となったかつての旧小長辿集落の町道から20mほど入った農業用水の取水跡地に取水施設が整備されています。そこから数百m南東へ水平方向に塩ビ管で導水後、急な坂道である非舗装の町道沿い1.2kmにポリエチレン管が埋設され斜面を下っているところを山の上から確認できます。冬場には、2mもの積雪があり、アクセス道は無人地帯で役場が除雪しないため、何かあればかんじきを履いて2時間以上かけて取水施設まで雪の中を登るとのこと。来春まで取水部の遠隔監視カメラが壊れないことを祈ります。

②二つ目は、「地域の方々へのいい意味での忖度ができていること」です。

地元の香美里山再生協議会の方々が、県の補助を活用し、流況調査等を実施したものの資金確保や技術的な課題等で壁にぶつかっている中、人づてに㈱鴻池組さんに事業化の話が回って来て、再生可能エネルギーの導入に前向き、かつ地元香美町での工事の実績がある土木会社として、実施を決めたとのこと。住民説明や漁協への協力依頼などには、協議会のメンバーが㈱鴻池組さんと一緒になって取り組まれ、全面的に事業化に協力したとのこと。こうした経緯を踏まえ、設置工事や維持管理は地元の業者に委託するとともに、社員等関係者は、地元の民宿等を積極的に活用するなど、地元への還元を常に意識しておられました。さらには、山間部をアップダウンで走り抜く「みかた残酷マラソン」に社員が参加されており、地元との交流も大事にされています。とてもいい忖度ができていると思います。 

③三つ目は、「(井澤部長のお人柄によるものかも知れませんが・・)うまくいっている点と、課題(うまくいってない点)を包み隠さず教えて頂けること。そして現在、課題の改善に向けて対応中のことも詳しく説明頂けること」です。

うまくいっている点としては、6射式のペルトン水車のため発電できる流量の幅が広く、稼働率を高められたことや、遠隔監視カメラに加えて濁度計を新たに設置し、大雨の直後は濁度を指標に1,2時間の一時停止を遠隔で操作することで、ノズルが詰まる原因の砂利の混入を防止できるようになったとのことです。

一方、取水口の形状や沈砂池の容量、水平方向の導水管の砂利の排出等に課題があり、特に重要な取水口ではコアンダー方式を参考にした3つ目の新たなスクリーンに交換を予定されているとのこと。このほか、発電所裏側の導水管斜面における大雪時の倒木リスクや海外製の部品の納期などの課題もあり、今後対応を考えたいとのこと。日々改善を重ねておられる姿勢に、敬服いたします。

④四つ目は、「当発電所や隠岐の島での再エネの導入経験を活かし、さらに近隣の河川に小水力発電を設置することができないか、前向きに検討されていること」です。

久須部渓谷だけでも、3本の川が合流しており、地形を活かした発電を数カ所でできるのではと、調査を進めておられるとのこと。近隣に複数の小水力発電が稼働した場合、定期的な点検をはじめ維持管理を効率的にできるだけでなく、視察者を多く呼び込むことにもつながります。今後の展開に期待です。そのうち一つぐらいは、住民出資型の事業になるともっと嬉しいですが・・。

⑤五つ目は、「久須部渓谷の要滝・三段滝という景勝地のすぐ近くに当発電所が位置し、見学者は、滝見亭という食事処で地元のご馳走を味わえること」です。

見学後の昼食は、滝見亭の2階の座敷で、山菜、あまごの塩焼き、天然の舞茸の天ぷら、但馬牛の陶板焼き、むかごの塩ゆでなど、地元の食材を堪能させて頂きました。歩いて1,2分のところには、見事な滝が2つ並んでいて、落差も水量もなかなかのものでした。当発電所の放流は滝の上流側に戻しており、観光資源の滝の水量や景観に影響を与えない姿勢は、地元ファーストの表れだと思います。小水力発電の設置をきっかけに、小代地区が観光×環境(再エネ(小水力やバイオマス)、生物多様性(イヌワシやオオサンショウウオが生息))で持続可能な地域であることを訪問者に感じてもらえるといいですね。

久須部渓谷、要滝
三段滝
食事処 滝見亭

以上、小水力発電に魅力と難しさの両方を感じている者にとって、大変為になる見学でした。対応いただいた㈱鴻池組さん、西粟倉村さん、KGESさんへ心から感謝をするとともに、このようなツアーを企画頂いた里中事務局長をはじめとする関西広域小水力利用推進協議会の役員の皆さまにお礼を申し上げます。

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無事、二日間の旅を終えて、姫路駅から帰路につく方、最終の京都駅解散まで、ほぼ予定通りの行程を終えることができまた。ありがとうございました。

解散後、皆さんにアンケートを求めましたところ、多くの方から「こうした見学会を続けて欲しい」とのお声をいただいております。

日程設定は「土日とは言わずに」という方もおられますし、「飛行機を使っても構わない」という方もおられて、来年度以後の見学先、選択肢の幅は広がりそうですが、その分、計画に時間がかかりそうですね。今後の計画の参考にさせてもらおうと思っています。

関西協議会の次のイベントは未定ですが、12月にこじんまりした講演会を企画しようと思っています。その時はまた、お呼びかけしますので、皆様、ご参加のほどよろしくお願いいたします。                      (事務局;里中)

<募集、終了します:10/1>「第10回小水力発電を訪ねる旅~中国山地東部3つ巡る」(10/19-20)参加者、募集中!

<10/1時点で、定員に達しましたので、募集を終了いたします>

<今後、キャンセル等が発生する場合がありますので、10/7までは問い合わせに対応します>

<10/8以後は、対応/変更は応じかねますので、ご了解のほどお願いいたします>

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関西広域小水力利用推進協議会が設立されたのは2012年ですが、その年から、毎年1回、バスを利用しての1泊2日の「水力発電所見学旅行」を続けています。

2020-2022年の3年間は、コロナ影響を受けて中断せざるを得なかったですが、昨年2023年から再開しております。※昨年は岐阜県高山市方面

今年の企画は「中国山地東部3ヵ所」で、岡山県の西粟倉村、鳥取県の智頭町、兵庫県の香美町です。

会員だけなくても参加、大歓迎です! (小水力発電って、耳にするけど、どんなものか見たことがない)方は、ぜひ、実際の小水力発電所を見てください。

今回の行程と内容は、下記の通りです。

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10/19(土)

・朝8:30、京都駅八条口バスターミナルで一次集合、出発

・10:55、姫路駅で二次集合 (途中、車中で昼食)

・13:10~西粟倉村、みおり発電所見学

西粟倉第2発電所(Slide Show) (kiss.f5.si)

・15:10~智頭町、富沢発電所見学

富沢発電所(Slide Show) (kiss.f5.si)

・18:10頃、愉快リゾート湯村温泉三好屋、夕食(懇親会)、宿泊

https://yukai-r.jp/miyoshiya/

10/20(日)

・8:30宿出発、9:00、香美町小代区久須部、小長辿発電所

兵庫県香美町 小長辿(こながたわ)</p>発電所の運転開始 | ニュース | 鴻池組 (konoike.co.jp)

 建屋~取水ポイント(ワンボックスカーに乗り換えて、交代しながら見学や懇談)

・12:10 昼食(滝見亭)

・13:00 姫路駅へ出発

・15:45 姫路駅で一次解散

・18:20頃 京都駅で解散

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今回は、新幹線を利用する方のために京都駅と姫路駅と、2ヵ所の集合場所を用意しました。

企画段階では、鳥取県企業局や中国電力の発電所、林業遺産となっている動力水車なども考えてみましたが、催行日が「鳥取ねんりんピック」と重なっていたり、バスが運行できる道の制限が意外を多く、安全を第一にして大きな道を選択した結果、2日間で、この3つの見学先が時間的にも無理がないと判断しました。

<集約締め切り>

・一次集約は、9/13(金)とします。この時点で20名に達した場合、催行を決定します・・・(バス定員25人、宿予約20人確保済み)

・二次集約は、9/30(月)としますが、バス定員の関係、宿予約の関係があり、エントリーの都度、判断させていただきます・・・(宿の追加予約が可能か不明)

<参加費>

・バス関連費用は、最終的な人数が確定した10/1以後に、プラスツーリストさんから請求書を発行、事前振り込み(10/11まで)をお願いします。

 (20人での見積金額)バス関連費用=中型バス貸切料、昼食2回、見学料、トラベルイヤホンレンタル料、旅行保険、ドライバー関連費用などの合計)=¥29,000(暫定)

・宿泊代は、直接宿に払う予定ですが、ネット予約のポイント割引を利用しているため、計算がかなり複雑です

 宿泊料=愉快リゾート湯村温泉三好屋=約¥15,800(アルコール飲み物は個別払い)・・・(領収書を個別に出してもらえるよう交渉中)

<エントリー方法>

参加ご希望の方は、下記、Googleフォームにエントリー記入をお願いします

https://docs.google.com/forms/d/1qpoLn8qCHPtG1Ubwa_i9qwzG-spM1Id0m_YtbaGIK94/edit

※フォームに入力できない等、ご不明の時は事務局へお電話ください

ご不明の点がありましたら、事務局又はプラスツーリストさんまで、お気軽にお問合せください。

より有意義な見学ツアーとなりますよう、皆さんのご参加をお待ちしております。

関西協議会事務局:080-7051-5830(里中)

企画募集会社:プラスツーリスト(株)(知事免許第2-588号)担当藤田さん(0773-42-2055)