初めての工場見学~2024/2/27、三谷合金製作所さんにお邪魔しました

今年度最後の企画として、宇治市の会員、株式会社三谷合金製作所さんのご厚意で、工場の見学をさせていただく事になりました。

社長挨拶 | 会社のご案内 | エッジワイズコイルをはじめとするコイル、コア、タービンなど開発・製造の三谷合金製作所 (mitanigoukin.co.jp)

当協議会から、理事、運営委員、一般会員の8名で見学させていただきました。

宇治川左岸そばにある三谷合金製作所さんの社屋

最初に会議室で会社の概要、製品の製造の流れなどプレゼンテーションをしていただき、ヘルメットをかぶって、工場内へ。

会社の沿革から製造製品の説明

発電機を構成する「ポール」いう重要な部分を製造していて、国内シェアは約7割と伺いました。事務室に日本地図が貼ってあり、納入先がマッピングされているのですが、納品してない県はわずか4県だけという事で、納入先のメインは電力会社でした。

工場内部の写真はさすがに撮れませんでしたので、会議室に掲示してあった巨大な発電機の写真と、参加者3名、新川理事さん、宇野理事さん、一樋運営委員さんの感想文でご想像ください。

「宇治市槙島町に工場を構える(株)三谷合金製作所は、発電機の界磁ポールの専門メーカーとして著名だと聞いていたのですが、水力発電機については国内でも最大のシェアを占めているとは思いもしませんでした。技術的には既に完成されているとのことで、50年以上前の発電機のリプレースやポールの補修なども多いそうです。三谷合金の取り扱いではもちろん大型のものが中心で、私たちが焦点を当てている小水力用のものはやっていませんでしたが、水力発電にかける三谷社長の情熱が感じられる会社でした。
 実際の製造工程を見学する機会をいただきました。重電メーカーなどからの注文が多いそうですが、定められたスペックに応える品質管理の良さが大切にされています。プレスなどの機械力も使うのですが、すべての作業がひとつひとつ手作業を介して進められていて、発電機のポール製造が職人芸であること、だからこそ品質を維持できることがよくわかりました。」(新川達郎)
得意先での発電機組み立て風景(会議室に掲示してある写真1)
 コイル絶縁材はノ‐メックスと聞き、約50年前のことで懐かしくなりました。
フランスからノ‐メックス絶縁材使用の小型ポンプを輸入しました。
電気用品法で未承認の絶縁材として定格認証が取れなくなりました。
化学研究部門の協力を得て東京の電気用品試験所に何度もデータを示し、
日本でノ‐メックスをF種絶縁材として承認されたことです。

 事業構造が大きく変わっって三谷合金製作所さんの発展につながったとお聞きしました。
現状の事業を見るだけでなく、次世代の変革の兆しを掴むことが重要と感じました。

 大型発電機・電動機のコイルの構造がわかりました。漠然と太い銅線をまいていると予想していました。板金銅板を成形したコイル製作法はすごいと思います。アンペア・ターンで考えるとこの構成は巻数よりも電流を重視と思いました。

 新規事業で相似形の小型にした発電機は、小水力発電の内でも発電量が大きい分野になると予想します。

 丁寧に説明していただき、大変勉強になりました。ありがとうございます。(宇野浩)
現地発電所での発電機取り付け風景(会議室に掲示してある写真2)
工場見学はかれこれ40年ぶりのことでしょうか。
学生のときは一応(一応です)電気工学を専攻していたので、それ以来のこととなりました。(仕事は全然違う分野でしたが)

子供の頃から模型とかを作ったり触ったりすることが好きで、小さなモーターなども分解して喜んでいました。
また学生時代は、電気工学の一分野である「電磁気学」に特に関心を持っておりました。(必修科目でしたがサボっていたので2年受講してしまいましたが。。。(汗笑))

ご存知の方も多いと思いますが、電動機と発電機は表裏一体の関係です。
最近の鉄道(電車)や自動車(ハイブリット車やEV)でも、「加速時は電動機として」「減速時は発電機」として使用されています。
その性能を決めるのが、「コイル」と鉄芯(磁性体)の開発だと思っております。
ただ、あのように大きな出力の発電機や電動機の「部品」となると、製造されている「もの」が全体の構造(製品)の中の「どの部分」となるのが、わからなくなることも度々でした。

その辺を工場内で丁寧に説明していただきよくわかりました。
電動機や発電機は、これまで製造メーカー(大手の重電メーカーなど)が、直接素材から最終的な組み立てまで賄っているものだろうとこれまで考えておりました。

三谷合金さんはその部品の製造を、合金作りのノウハウを活かして進められてきた(受注されてきた)ということに驚いております。
(小さな電動機や発電機そのものを組み立て製造されている会社なのかな?と最初は思っていました)
巨大な発電所に設置するときなどは、三谷合金さんで完成したものを直接現地で組み立てることなど、はまるで建築現場のようです。
それくらい大きなものまで製造されていることを考えると、正直なところ小水力で使用される発電機の部品に関与できるのか?ということも疑問にも思いました。

しかし一方で電車電動機のコイルや鉄芯なども手掛けておられるのであれば、可能なのだろうとも思います。
(最近の鉄道車両も電力ロスが大幅に減り、小型でハイパワーのものが開発されてきています。だいたい一台当たり100kW〜200kWのものが使用されてきています。それを1両に3ないし4個が車両の床下に搭載されています。直径が人の腰から胸の高さくらい)なので、十分小水力発電にも対応できる規模だろうと想定しています。

工場で私が特に感心したのは、コイルを作る行程で「平板状態」(例えば10cm幅)の素材(銅板)を、その平面部分を90度曲げコイル状にしていくことです。
普通、金属などは薄い面に逆らわない方向には容易く曲げ伸ばしすることは簡単です。
しかしこの工場ではそうではなく、面の方向に曲げるということ(言葉ではなかなかイメージしずらいと思いますが)、それを幾十にも繰り返し、コイルに仕上げていく、という行程です。
初めは、銅板を型抜きしそれを溶接していていくのか?とか鋳型で作っていくのだろうと思っておりました。

「銅と鉄」
近代工業の中心的な金属資源を巧みに操り製品を作っていくということ、そしてこれまで時代の先端にチャレンジされてきた事に敬意をいたします。
その上でさらに未来を見据えて、次のステップを考えられている社長以下従業員の皆様のご活躍を期待してお礼を申し上げます。(一樋和美)

小水力発電とふた言目には「発電」を口にしてきたわりには、発電機ってどういうものか想像が出来ていませんでした。

見学させてもらったからと言って、すぐにわかるものでもないのですが、「銅線コイルを巻く」「鉄芯を造る」という言うことが目の前に展開されていて、小学校の工作の時間を思い出した人もあるでしょう。まさに、アレが巨大な製品となって三谷合金さんの工場で「発電機用ポール」という製品が出来ていたのです。

最後に集合写真を撮って、お礼を申し上げて、解散しました。

三谷合金製作所様、本当にありがとうございました。(事務局:里中)

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